黒毛和種繁殖雌牛体尺測定値の飼育年代や放牧による変化
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概要
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鹿児島県肉用牛系統造成候補牛群のうち, 昭和33年から昭和46年までに生まれた高等登録牛435頭について, 基本登録時および高等登録時の体型の生年次の違いによる変化を検討した.また.これらの年次の推移による変化の外に種雄牛の影響についても検討した.さらに, これらの舎飼方式によって飼育された肉用牛の体型に対して, 放牧牛の体型の特徴を知るため, 頴娃肉用牛繁殖育成センターおよび鹿大入来牧場における放牧牛計54頭の体尺測定を行い, 舎飼牛の体型と比較した.その結果は次のとおりである.1.調査牛の基本登録時における受検月齢は, 26.9カ月から22.8カ月まで4.1カ月も約10年間に短縮された.一方, 体型各部位は月齢が若くなったにもかかわらず, 向上値を示し, 特に胸囲, 胸深, 腰角幅および〓幅などは著しく大きくなった.2.高等登録時の受検月齢は99.9カ月から63.7カ月までに短縮された.体尺測定値は基本登録時と異なって, 生年次が推移するにつれて, 若干大きくなるもののそう著しい変化を示さなかった.これらのことは成熟値の変化よりも, 飼養管理技術の進歩により, 早熟化が進んだことを意味している.3.種雄牛の体型に対する影響をみると, 体高において, 明らかに種雄牛による違いが認められた.しかしながら, 他の部位では, 生年次による違いが大きく, 環境要因の影響をより強く受けるものと考えられる.4.放牧牛と舎飼牛の体型を比較すると, 胸深および管囲以外は全て, 放牧牛が有意に小さかった.従って, 放牧牛は全体的に小型化していることが認められた.さらに, 体高および体長を100として, 各部位との比率を求め, 体型の特徴を検討した.放牧牛は舎飼牛と異なり, 体高に対して十字部高が高く, かつ, 体長が短い, ずんぐりした体型をしていることが判明した.
- 鹿児島大学の論文
- 1979-03-19
著者
-
高田 仁
鹿児島県農業改良普及所
-
東條 英昭
家畜繁殖学研究室
-
中西 喜彦
家畜繁殖学研究室
-
小川 清彦
家畜繁殖学研究室
-
小山田 巽
学内農場
-
東条 英昭
家畜繁殖学教室
-
中西 喜彦
鹿児島大
-
小川 清彦
鹿児島大 農
-
Nakanishi Yoshihiko
Laboratory Of Animal Reproduction Faculty Of Agriculture Kagoshima University
-
Nakanishi Y
Kagoshima Univ.
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