鹿児島県における黒毛和種の経済能力

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1)1973年, 鹿児島県薩摩および末吉家畜市場に出荷された子牛1,062頭の母親について, 産次別飼養頭数から1〜3産の若齢繁殖牛がほぼ50%を占め, 早期廃用淘汰・更新が実施されていることが推論された.2)産次別繁殖の分娩間隔は, 一般に若齢牛において長く, 産次の進んだ老齢牛において短かい傾向を示し, 淘汰基準が母親の生産効率によることが推論された.3)子牛市場における子牛の日齢は最近10年間に6カ月齢から9カ月齢に延長され, 体重は185kgから292kgとなった.また, 雄子牛の去勢率は, 最近10年間に0%から97.7%と普及された.4)子牛の日齢に対する体重の回帰係数は雄, 去勢, 雌において, それぞれ0.9,0.4および0.4を示し, また, 体重に対する価格の回帰係数は0.07〜0.11を示した.5)鹿児島県経済農業協同組合連合会による農家預託牛420頭の産肉成績は, 平均1日増体量, 枝肉歩留, 脂肪交雑がそれぞれ0.737kg, 59.4%および1.40を示し, 脂肪交雑については, 市場により評価が異なることが示された.6)産肉諸特質間の表型相関係数から, 開始時体重と平均1日増体量との間に負の相関が認められ, また, 終了時体重と平均1日増体量との間に高い正の相関が認められた.7)終了時体重を一定にした場合, 平均1日増体量と脂肪交雑との偏相関係数は-0.893と評価された.8)種牡牛別子群(半兄弟群)の産肉能力から, 平均1日増体量, 脂肪交雑および枝肉歩留の遺伝率が, それぞれ0.32,0.24および0.11と評価され, また, 平均1日増体量の優れた父家系においては脂肪交雑が低いことが認められた.
1975-03-20

鹿児島県における黒毛和種の経済能力

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