鹿児島県におけるバークシャー種の繁殖能力について
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概要
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本研究は, 鹿児島県におけるバークシャー種の繁殖能力の実態を明らかにするとともに, 繁殖能力に及ぼす年次, 季節および系統の効果について検討を行なった.材料には, 1969年から1975年までの間に, 日本種豚登録協会鹿児島県支部で実施されたバークシャー種繁殖能力検定を受験した1154頭の成績が用いられた.分析された形質は, 産次構成と妊娠期間, 分娩時1腹子豚数, 21日齢および14日齢1腹子豚数, 21日齢および14日齢生存率, 21日齢および14日齢1腹子豚総体重, ならびに21日齢および14日齢子豚平均体重である.1969年から1973年までは21日齢検定により実施されたが, 1974年以後は14日齢検定で実施された.繁殖成績に及ぼす要因の分析には, 初産の283頭のデータが用いられた.結果の大要は, 次のとおりである.1)産歴では初産の個体が最も多く, 産次が進むにつれて頻度が低下したが, 最高15産の産歴を有する個体もみられた. 1〜3産の個体が全体の64.7%を占め, 平均産次数は3.14産であった.妊娠期間は114.8±1.9日を示し, 産次による差異は認められなかった.2)各形質の平均値は, 次のとおりである.分娩時1腹子豚数 : 9.3頭, 21日齢および14日齢1腹子豚数 : ともに8.7頭, 21日齢および14日齢生存率 : 92.7%および93.2%, 21日齢および14日齢1腹子豚総体重 : 51.7kgおよび35.1kg, 21日齢および14日齢子豚平均体重6.0kgおよび4.2kg, ならびに性比 : 雄, 48.0%および雌, 52.0%であった.3)分娩時1腹子豚数は1971年以降有意に増加し, 年度間および季節間で統計的に有意であった.また, 21日齢1腹子豚数は年次間で有意であった.他の形質においては, 年次間および季節間で統計的有意性は認められなかった.4)分娩時1腹子豚数および21日齢子豚数では, トーリヤマクワバタキホーテ(登録番号3311)系, アメリカ系および合成系がすぐれた成績を示したが, 生存率は逆に他の系統に比較して有意に劣る傾向がみられた.一方, 21日齢1腹子豚総体重および21日齢1腹子豚平均体重においては, いずれにおいても系統差を見出すことはできなかった.
- 1981-03-19
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