雌ウズラの寿命と生涯産卵能力について

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本研究は, ウズラの寿命と生涯産卵能力について, その特質に及ぼす要因分析を行なうとともに, ウズラの経済的寿命の推定, 寿命と生涯産卵能力との関係, 産卵規則性ならびに部分産卵記録と520日齢産卵能力との関係について検討を行なった.その結果の大要はつぎのとおりである.1)雌ウズラの寿命は各試験区の平均値で586〜694日を示し, 最高寿命として1690日を記録した.また, 父家系間で統計的有意差が見られ, ウズラの寿命には遺伝的要因が介在することが推論された.2)産卵率の推移をみると, 280日齢までは80〜90%のきわめてすぐれた産卵率を示した.産卵率50%を示す日齢をウズラの経済的寿命とすると, ウズラの経済的寿命は520日齢と推定され, その累積産卵数は358〜383個であった.また, ウズラの生涯産卵数は平均値において, 342〜384個, 最高630個を記録し, 最終産卵日齢は1018日を記録した.4)ウズラにおける, 700日齢までの寿命と生涯産卵数との相関係数は0.75〜0.82のきわめて高い正の値を示した.5)520日齢産卵能力と280日齢までの記録との表型相関は0.575〜0.919,遺伝相関は0.672〜1.022と推定された.また, 各週3日および5日の部分トラップ法と週7日トラップ記録との相関はいずれも0.951と推定された.6)ウズラの産卵規則性について, 400日齢までの産卵一休産パターンの分布は1/1型(One-egg-cycles)が最も高い頻度で現われ, 連続産卵日数および連続休産日数が増加するにしたがって出現頻度が低下した.
鹿児島大学の論文
1974-03-20

雌ウズラの寿命と生涯産卵能力について

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