放卵間隔の長さによって分類したウズラの放卵リズム型とその特徴

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本実験の目的は,ウズラ(Coturnix coturnix japonica)を個体ごとの平均放卵間隔の長さにより放卵リズム型にわけ,その型の特徴を明らかにすることである.72羽のウズラを14L:10D光周期下におき,26日間にわたって放卵時刻を記録した.この期間中に80%以上産卵した56羽のウズラから,放卵間隔が長い個体,短い個体および中間値を示した個体を10羽ずつ選び出し,それぞれの放卵型の名称をA型(光周期不同調型),C型(光周期同調型)およびAC型(中間型)とした.A, CおよびAC型の平均放卵間隔はそれぞれ26.5,24.0および24.9時間であった.AとAC型では明期後半〜暗期前半に放卵が集中する傾向を示し,放卵のピークはともに点灯後13〜14時間であったが,暗期後半〜明期前半にも放卵は継続した.C型では点灯後7〜15時間までにすべての放卵が観察され,放卵のピークは点灯後9〜10時間であり,AとAC型よりも4時間早かった.0.25時間を階級区間とした放卵間隔の頻度分布のパターンは,A型では集中性が低く最短値と最長値の幅は9時間となり,中央値は27.5時間であった.C型では,23.0〜25.0時間内に全放卵間隔の88%が入った.以上の結果は,放卵型が違えば放卵時間が異なり,また,放卵間隔の分布型が異なることを示した.さらに,A型とAC型の放卵間隔の日内変動を調べると,暗期後半〜明期前半の時間帯における放卵間隔は常にA型が長かった.このことは,ウズラの放卵型の発現には,内因的な時計機構が関与していることを示唆している.
社団法人日本畜産学会の論文

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