プロラクチンがニワトリの排卵および卵殻形成に及ぼす抑制効果について
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概要
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排卵および卵殻形成に対するプロラクチン投与の効果を正常鶏および下垂体除去鶏を用いて検討した.正常産卵鶏にプロラクチン200IUをクラッチ第2卵(C2)排卵予定時刻の6時間前あるいは7時間前に注射した結果,排卵が遅延した.それ以外の時間に注射した場合にはこのような効果はみられなかった.また,C2排卵予定時刻の18-20時間前に下垂体前葉を除去したニワトリにおいて,LH注射と同時,30分後あるいは1時間後にプロラクチンを投与した場合にはLHによって誘起されるはずの多排卵(2個)が阻止された.しかし,LH注射の6時間前,30分前あるいは2時間後にプロラクチを投与した場合には全く効果がみられなかった.これらの結果から,プロラクチンは卵巣に直接作用し,卵胞における排卵機構の初期の過程を阻害するものと推察される.一方,正常産卵鶏にC2排卵予定時刻の8-14時間前にプロラクチンを投与した場合,C2卵殻重量が有意に減少した.またC1卵殻重量はC2排卵予定時刻の6-7時間前に投与した場合に減少し,それ以外の時間に注射した場合には効果がみられなかった.一方,下垂体除去鶏においてはC1卵殻重量が著しく減少した.しかし,このような卵殻重量の減少はプロラクチン投与と関係なく,投与しない場合でも投与した場合とほぼ同程度であった.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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