家鶏卵胞膜の酸性および中性プロテアーゼについて
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概要
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家鶏卵胞膜の酸性および中性プロテアーゼの一般性質と,排卵前後の変動について検討した.プロテアーゼ活性の測定は,pH 5以下ではヘモグロビン,pH 6以上ではカゼインを基質として行った.卵胞膜を0.01MCaCl2,0.25%トリトンX-100でホモゲナイズし,可溶性画分と,不溶性画分を得,プロテアーぜ活性の測定を行った.酸性プロテアーぜは可溶性画分に存在し,その反応至適pHは4.0であった.中性プロテアーゼは,不溶性画分に存在し,その反応至適pHは7.0前後であった.反応至適温度は両酵素とも,40°Cであった.熱安定性については,酸性プロテアーゼは,40°C以下で安定で,70°C,(30min)で失活するのに対し,中性プロテアーゼは,35°C以下で安定で,60°C,(30min)で失活し,熱に対して不安定であることが認められた.酸性プロテアーゼは,2-メルカプトエタノール,EDTA,およびCa2+で賦活される.両酵素ともに,家鶏血清および大豆トリブシンインヒビターによっては影響をうけなかった.これらのプロテアーゼ活性の排卵前後の変化(比活性,units/g,卵胞膜)についてみると,酸性プロテアーゼは排卵後,有意に増加するのに対し,中性プロテアーゼは排卵後,一度減少した後に増加することが認められた.
著者
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杉元 康志
西南女学院短期大学
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福永 隆生
鹿児島大学農学部
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藤井 信
鹿児島大 農
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藤井 信
鹿児島大学大学院連合農学研究科
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東條 英昭
鹿児島大学農学部
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古賀 克也
鹿児島大学農学部畜産化学教室
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杉元 康志
西南女学院短大
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古賀 克也
鹿児島大学農学部
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