鶏卵白タンパク質の消化性に対するオボインヒビターの影響
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概要
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オボインヒビター(OI)を包含するあるいは除去したプソイドグロブリン水溶液の加熱後のウシトリプシンによる消化性は,高温処理のものが最良で,中温処理がこれにつぎ,無処理は極めて悪かった.OIを含むものは除いたものに比し消化性が著しく悪かった.精製オボアルブミンの水溶液にOI添加あるいは無添加の状態で加熱処理後のウシトリプシン,キモトリプシンによる消化性は,中温処理が最良で,高温処理がこれにつぎ,無処理は極めて悪かった.OI添加のものは無添加に比し明白な消化阻害が認められた.同様の処理を行なったオボアルブミン水溶液に対するヒト膵液による消化性も類似の結果を示した.オボアルブミンのリン酸塩緩衝液(pH 8.0)溶液にOI添加あるいは無添加の状態で加熱処理後のウシトリプシンによる消化性は,高温処理が最良で,中温処理がこれにつぎ,無処理は極めて悪かった.この場合OI添加と無添加のものの間にはわずかな差異しかみられなかった.これらの結果は生卵白の消化性が加熱卵白に比し劣るのは,タンパク質が未変性であることのほかにOIによる消化阻害にも基因することを示している.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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