鶏卵黄からの酸性プロテアーゼ製剤処理による黄卵油製法
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概要
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鶏卵黄中の脂質と結合しているタンパク質を酸性プロテアーゼ製剤で部分分解し, 氷酢酸添加, 加熱, 静置および遠心分離により卵黄油の分離, 開発を行った。7種の酵素製剤のうち酸性プロテアーゼ製剤である3種のものについて卵黄油の分離が認められたが, その分離量, 熱効率, 酵素製剤添加量の面からコクラーゼSSが有効であることが認められた。<BR>本法で分離された卵黄油はきれいな淡黄色で, 焙炒法で得られた卵黄油より粘性が低い特色を有した。<BR>収量は卵黄100g当り20〜23gで卵黄脂質の約67〜77%に相当した。この卵黄油の脂肪酸組成は焙炒法で得られた卵黄油に比べ, リノール酸, リノレン酸およびアラキドン酸含量に富むことが認められた。ビタミン量は通常の卵黄中の値の3.4〜4.3倍に濃縮されており保健栄養的にも望ましいと判断される。
- 社団法人 日本栄養・食糧学会の論文
著者
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福永 隆生
鹿児島大学農学部
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古賀 克也
鹿児島大学農学部畜産化学教室
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福永 隆生
鹿児島大学農学部動物生化学・食品科学
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古賀 克也
鹿児島大学農学部
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古賀 克也
鹿児島大学農学部動物生化学・食品科学
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