芋焼酎粕の生理機能について

概要

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焼酎の製造工程で多量の焼酎粕が発生するが,その焼酎粕には,各種有用成分が多種多様に存在することが知られており,有用資源としての利用が注目されている。今回,芋焼酎由来の焼酎粕について,ポリフェノール含量と抗酸化能の測定,および腫瘍細胞に対する影響についての実験を行い,その関連性にっいて検討した。芋焼酎粕のゲルろ過を行い,画分1〜画分IVに分け,Folin-Ciocalteau法によるポリフェノールの定量とDPPHantioxidantassayによるラジカル消去活性の測定を行ったところ,芋焼酎粕中のポリフェノール含量,ラジカル消去能の双方において,画分IIIと画分IVに多く認められ,ラジカル消去能とポリフェノールの含量には相関関係が認められた。マウスを用いて抗腫瘍実験を行った結果,腫瘍形成の抑制が認められ,さらに,腫瘍重量の最も小さかった画分1でNK細胞の活性が最も高くなった。NK活性の顕著でなかった画分IIIとIVにおいても腫瘍形成の抑制が認められたが,これは,ポリフェノールの持っ抗酸化能の腫瘍細胞に対する直接作用によるものと推察された。