ポリイミド/ポルフィリン/アラキン酸構造素子の光過渡電圧測定

概要

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近年、異種分子膜間の電子移動現象を基礎とする分子メモリー素子が提案されている。このような分子メモリー素子を実現していくためには、分子膜間の高速な電子移動過程を解明する必要がある。これまで我々は、単分子膜厚0.4nmポリイミド(PI)LB膜と、PI分子内にポルフィリン基を導入したポルフィリンポリイミド(PORPI)LB膜を用い、異種2層分子膜をITO電極上に作製した。そして、連続光を照射して、2分子膜間で見られる電子移動を変位電流法により測定してきた。その結果、光照射により、PORPI単分子からPI単分子膜へ電子移動が行われていることを明らかとすることができた。しかし、PORPI層で発生する発生電子数、電子移動距離、電子移動時間等についての詳細を明らかとすることはできなかった。そこで本研究では、これらの点を明らかとするため、新たに高速な光応答特性の計測が可能な光過渡電圧測定システムを構築した。そして、LB法によりPI/PORPI/C20 3層素子を作製し、光過渡電圧の測定を行った。その結果、PORPI積層数の違いにより電子移動機構が異なること、PORPI分子膜内の電子移動距離は約2-4nmとなることを明らかとすることができた。
社団法人電子情報通信学会の論文
1995-09-05