Alq3薄膜における表面電位発生と非線形光学的手法によるその評価(機能性有機薄膜,一般)

概要

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EL材料として用いられているAlq3(Tris(8-quinolinolato)aluminum)の金属基板上蒸着膜における表面電位測定を行い、薄膜中の双極子と電荷移動による電位発生について検討した。その際、電荷移動による電位発生を無視できるガラス基板上においては、非線形光学的な手法を用いて、その分極配向について検討した。その結果、表面電位測定から、Alq3上で発生した巨大表面電位が光照射によって急激に減少し、光照射後の表面電位は電荷移動による電位形成が支配的になっていることを明らかにした。また、表面電位の結果から配向オーダーパラメータ(平均の配向角)は、遮光下での蒸着直後はS_1=<cosθ>= 0.07(θ= 85.9°)と見積もられた。一方SHG測定から、光照射前後で約5倍の強度変化が観測され、これは自発形成した分極構造が緩和したためと考えている。THG強度が光照射前後で変化しないことから、光照射による配向変化はわずかであると結論したが、これは表面電位測定の結果を支持している。また基本光波長900nm付近では、ニ光子励起による分極構造が緩和も観測された。
2003-11-12