雑音を伴うleaky integrate and fire神経モデルにおけるCoherence resonance

概要

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これまでの理論的実験的研究によると, 雑音を感覚神経細胞へ加えることによってそこでの信号の伝達がいろんな形で変わり得ることがわかってきている。例えば入出力関係が雑音を加えることによって線形的な応答に近付いたり, 非常に微弱な信号に対する検出が雑音によって改善される現象などが挙げられる。後者の現象はstochastic resonanceと呼ばれている。さらに, 入力信号がなくても神経細胞の発火現象が雑音によってより規則的になる事も報告されており, coherence resonanceと呼ばれている。我々はleaky integrate and fire神経モデルの応答を調べる。このモデルを選んだ理由は, 厳密な解析を可能とさせる単純なモデルであるにもかかわらず, 興奮性と不応性という神経細胞の本質的な2つの性質を捉えているからである本稿では入力信号を全く受けない, 雑音を含むleaky integrate and fire神経モデルの非線形な応答特性の, 初通過時間による解析法についてまとめ, coherence resonanceに関する幾つかの新しい結果を紹介する。
社団法人電子情報通信学会の論文
1999-07-23