確率論的ラチェットモデルの研究
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概要
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分子モーターはATPなどの化学エネルギーを力学的エネルギーへ変換する.ミオシン分子は典型的な分子モーターの一つで, 対応するレールタンパク質であるアクチンフィラメント上を直線的に動く.分子モーターにおけるエネルギー変換機構には現在tight couplingとloose couplingという二つの仮説がある.前者では, ATPの化学エネルギーが分子モーターにおける一回の構造変化と対応しているという考え方である.しかし蛍光ラベル法を用いた生体一分子測定により, ATP一分子が加水分解される間に複数ステップだけ分子モーターが一方向へ動く事が実験的に示された.この事実はloose coupling仮説を支持している.ステップ一回分に対応するエネルギーが熱揺らぎのほんの数倍しかないことから, 熱揺らぎが分子モーターの一方向性に重要な役割を担っている可能性が高い.こうした分子モーターにおける熱揺らぎの積極的な役割を可能性を調べるため, 周期的で非対称なポテンシャル上の一次元Brown運動として記述されている, 確率論的ラチェットモデルを調べることにした.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2001-01-25
著者
-
佐藤 俊輔
大阪大学大学院基礎工学研究科
-
下川 哲也
大阪大学大学院基礎工学研究科
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佐藤 俊輔
大阪大学大学院基礎工学研究科機能創成専攻生体工学領域生物工学講座
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下川 哲也
阪大・生命機能・ナノ生体科学
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