集合分子モーターのエネルギー変換機構
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概要
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これまで筋収縮を記述するモデルの考察が多く成されてきた.本稿では, 多くのモデルの中の一つであり, 理論的解析が行いやすく分子モーターの特性をよく捉えたラチェットモデルを用いる.そのモデルにおいて, 単一の分子モーターモデルと多数集合した分子モーターモデルの性質を比較する.両者の違いはエネルギー効率である.前者は数%, 後者は50%を越える.これらの効率の違いがなぜ起きるのかを探るために, 我々はまず最初のステップとしてほぼ平衡な状態での振舞いを解析する.この解析の利点は, 状態がほぼ平衡であることから線形応答理論を適用することができ, それによってモデルの解析的表現が非常に単純になり, 解析的な側面からエネルギー効率の違い等を議論することができる点である.さらに我々は, 大幅に非平衡な状態も含めた一般的な解析も行い, 単一モデルと集合モデルとの比較を通じ, 分子モーターが多数集合することによるエネルギー効率向上のメカニズムについて議論する.
- 2005-01-22
著者
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下川 哲也
大阪大学大学院基礎工学研究科
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下川 哲也
阪大・生命機能・ナノ生体科学
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毛利 一成
京大院・化研・バイオインフォマティクスセンター
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下川 哲也
大阪大学基礎工学研究科システム人間系専攻
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毛利 一成
大阪大学基礎工学研究科
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