被写体回転によるX線CT画像のぶれ : 点源を被写体断層とする場合
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概要
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X線CTスキャナを用いて被写体断層を撮影する場合,被写体に対してX線束をさまざまな角度から照射して,投影を計測しなければならない.しかし投影の計測にはある程度の時間(スキャン時間)を要する.この間に被写体が動けば,投影に矛盾が生じ,CT画像中にぶれ(モーショアーチファクト)が発生する.こうしたぶれの性質や被写体運動との関係がわかれば,それはCT画像の分析に利用でき,X線CTを用いた画像診断に新しい知見を与える.本論文では,被写体と投影計測の双方が時間に依存する系を想定し,原点周りに回転する点源について,その再構成画像を調べた.その結果,この系から得られる再構成画像は時刻に関して縮退すること,点源に対するぶれ像が内(外)サイクロイドと呼ばれる平面曲線を描くことなどが明らかになった.これらの解析結果は計算機シミュレーションによって検証され,CT装置で発生するぶれ像が再現できることを確認した.
- 1993-03-25
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