適応フィルタ係数の無音声雑音区間における更新の継続
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概要
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音響エコーキャンセラにおいてエコー経路への送出信号を音声とするとき,エコー消去量は急速に増加し,小さなステップゲインに対してもその増加速度は大きく低下しないことが確認される.この特性を利用すれば適応フィルタの係数を無音声区間でも継続して更新する構成が可能となる.この構成は所要エコー消去量の確保に必要な時間の短縮をもたらす.更に,この特性は残留エコーと送出信号の積和およびノルムの加算値の比を係数更新量とする'加算正規化'LMS法の適用によって強化される.すなわち,そのノルムの加算値が一定値(閾値)に達したときだけ係数を更新する構成とすれば,エコー消去量は送出信号のパワーによらず所要の値に維持され,増加速度は高められる.本報告ではまた,その閾値の決定に必要な周囲騒音のパワーを算定するフィルタの構造を示す.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1994-12-20
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