人の把持力制御メカニズム研究のための指先変形と把持/負荷力の同時計測装置の開発

概要

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人の把持力制御メカニズムを明らかにするには, 従来から行われてきた把持/負荷力の計測だけでなく, 指先の変形運動を計測する必要がある.そこで我々は, 指先変形と把持/負荷力の同時計測システムを発案・開発し, また予備実験を行い有用な結果を得ることができたので, ここに報告する.本システムは変形前の指先形状を計測するためのステレオカメラ, 変形後の指先形状を計測するために把持面裏側に設置された単眼カメラ, 及び把持/負荷力を計測するために把持面を片持ちで支える力センサより構成される.また, 指先変形運動は指先に描画したドットパターンを画像処理することによりビデオレートで計測可能である.本システムを用い把持動作を計測した結果, 摩擦計数の変化に伴い把持力も変化するという従来の知見を支持するデータが得られただけでなく, 指と物体との接触面で生じる現象が弾性接触理論に基づく予測と定性的に一致することが確認できた.また, その現象が把持面摩擦計数の違いにかかわらず, あまり変化しないという興味深い結果が得られた.
社団法人電子情報通信学会の論文
2001-06-01