遠隔協調作業環境による3次元コンピュータ・アニメーションの生成

概要

論文の詳細を見る
コンピュータ技術の進展やネットワーク環境の発展, 映像コンテンツに対する需要の増大に伴い, ネットワークを介した複数のユーザによる映像コンテンツの協調制作に対するニーズが高まっている. 筆者らは映像コンテンツの制作を効率的に行うための環境の充実, 並びに各種リソースの有効活用を目標とするマルチメデイア・ワールド・プロセッサの実現を目指している. 本稿ではその一環として3Dコンピュータ・アニメーションを協調作業により生成・編集する手法について述べ, 人物像歩行動作生成に適用した例を示す. 複数のユーザによる仮想環境の利用や仮想共有空間における協調作業については, 例えば文献[1]などに紹介されているが, そこでは各ユーザによるオペレーションを共有空間ヘ反映する際の伝達速度や同期処理などの対話性が主な問題となる. 一方, 映像コンテンツの制作などにおいては仮想共有空間内のデータを変更してしまうことが多く, あるユーザによるあるオペレーションが望ましくない結果を生じることがあるため, 適宜オペレーションを選択する必要がある. また, 編集者が遠隔地にいる場合, 時差も含めて同期処理が取りにくいため, 一連の処理をまとめて非対話的に転送する方が効率が良い場合がある. このため, 本手法では以下に示すような点を導入し, 人物像歩行動作の協調作業による生成に適用した: 1) 通常のサーバ&クライアント型モデルに特権クライアントを導入する, 2) 特権クライアントプロセスにおいて, 他のクライアントのオペレーションに対する選択機能を導入する, 3) 各クライアントプロセスの共通リソースは各クライアントプロセスそれぞれが所持する, 4) プロセス間の通信は, 各データに対するオペ [figure] レーションのみをサーバを介して転送し、必要に応じてシーンデータを転送する. 以上により, 3DCGアニメーションの協調作業環境による生成および編集が効率的に行えるようになった.
社団法人情報処理学会の論文
1997-09-24

遠隔協調作業環境による3次元コンピュータ・アニメーションの生成

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク