多地点遠隔会議システムにおけるシームレスな協同描画空間の提案

概要

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人と人とが直接出会う対面コミュニケーションにおいて、お互いの気持ちを理解するのに重要となるのは、頗の表情や身振りなどの言葉以外のノンバーバルな情報である[1]。近年、地理的に離れた所にいるもの同士が仮想的に同じ場所にいるような会議空間を提供するシステム(多地点テレビ会議システム)を会社で取り入れ、実際に利用している例も見られる。この多地点会議システムは同期分散型といわれており、その形態上、相手の気持ちが伝わりにくく、意見調整を必要とする創造型の会議には適していない。そこで、ノンバーバルな情報を伝達できるシステム[3]がいくつか提案されている。それらはあたかも対面環境で会議を行なっているような感覚をユーザーに与えるように設計されている。これらは、ユーザー同士が会話だけを行なうのには十分な対面環境を提供しているが、ホワイトボードなどの共有描画空間を用意して会議を行なうには、まだ改善されるべき余地がある。例えば、実際の対面型の会議では、ホワイトボードとその前で話すユーザーを区別することなく同時に見ることができるのに対して、多地点テレビ会議システムではホワイトボードのような共有描画空間と会話空間が別々になってしまう。この問題点を、ClearBoard[2]では共有描画空間と他の参加者の映像を重ねて映し出すことで、共有空間と会話空間の一体化を行なっている。しかし、これでは1対1の会議しか行なうことができず、多人数の会議には対応できない。そこで、本論文ではユーザーの会話空間と共有空間を統合し、複数人がそこで同時に会議に参加することを可能にする多地点遠隔会議システムを提案していく。
一般社団法人情報処理学会の論文
1997-09-24

多地点遠隔会議システムにおけるシームレスな協同描画空間の提案

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