仮想環境システム構築ツールキットmtvの概要と世界記述言語vef

概要

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仮想環境における手術の学習、計画、試行、及び実行支援が最近注目されている([4,7]等)。我々は、国立がんセンターと共同で、没入型仮想環境において開頭手術による脳腫瘍摘出を模擬する手術模擬システムのプロトタイプを開発した。本システムでは、1)皮膚・頭蓋骨の透視による腫瘍の位置の確認、開頭位置の決定、2)皮膚の切開と頭蓋骨の穿孔・切除、3)脳質の吸引による腫瘍の露出、4)腫瘍の吸引・摘出、という手順を視点追従型表示装置を用いて模擬する。脳などのモデルをMRI等の3次元医用画像から生成するのが本システムの特徴の一つである。将来は、各患者の画像データに基く患者毎の手術の計画・試行を目指している。我々は、本システムを開発するにあたり、仮想環境開発用ツールキットを評価したが、手術の模擬に重要な切開や変形などの処理を許すものは無かった。そこで,新たに仮想環境開発ツールキットminimal toolkit for virtual environment(mtv)を開発した。本論文では、mtvの概要とその世界記述言語virtual environment file(vef)について述べる。
一般社団法人情報処理学会の論文
1995-09-20