ボクセル・データと面データを画像化するボリューム・レンダリング・アルゴリズム
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概要
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近年、医療をはじめとする機々の分野にわいて、3次元ボリューム・データの可視化技術として、ボリューム・レンダリングか注目されている。ボリューム・レンダリングは、ボリューム表面だけでなくボリュームの内部構造の可視化を目的としたもので、ボリューム表面を多面体近似することなくボリュームを直接表示する技術である。従来の表示技術と違い表示のための面データの生成が不要なため、データが複雑な場合、データの量が少ない場合にも、適用可能である。コンピューター・シミュレーション、科学的実験・観測等から生成される3次元ボリューム・データの多くは、そのボリューム中に物体等の3次元モデルを含んでいる。これらのデータを可視化する際には、その物体の回りの物理量の分布と同時に物体自身の形状を表示する必要がある。ボリューム・レンダリングでは、3次元座標上に規則正しく格子上に並んだ点(ボクセルに対応)でのデータ、すなわち非連続的な3次元データを扱うため、その解像度は格子間隔に依存する。したがって、格子間隔以下の詳細な物体形状の表示は不可能である。本稿では、上記の問題点を解決する表示法を提案する。本手法は、ボリューム・レンダリングのアルゴリズムの中に従来からの表示法のアルゴリズムを導入し、ボクセル・データと面データを統一された枠組みで処理できるように、そのアルゴリズムを拡張したものである。表示法として「レイ・キャスティング法」を採用し、また、ボクセル・データを定義する直交格子を利用して、レイと物体の交差計算を局所化し、計算の高速化を計っている。本稿では、3次元ボリューム・データとして不等間隔直交格子点上で定義されるスカラー・データ、物体の形状を多面体近似する面データとしてポリゴンを扱うものとする。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1989-10-16
著者
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宮澤 達夫
日本アイ・ビー・エム(株)東京基礎研究所
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宮澤 達夫
日本アイ・ビー・エム 東京基礎研
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杉本 和敏
日本アイ・ビー・エム株式会社 東京基礎研究所
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杉本 和敏
日本アイ・ビー・エム(株)東京基礎研究所
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杉本 和敏
日本アイ・ビーエム東京サイエンティフィック・センター
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