疎な要求駆動型データフロー解析

概要

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プログラム解析やコード最適化においては, データフロー解析がよく使用される.この解析は, 目的とする情報をプログラム全体から収集することを仮定しているので, プログラムの一部分だけを解析したい場合や, 一部の解析結果を用いてプログラムを変形し, さらに変形後のプログラム上で他の部分の解析を行うことを繰り返す場合には, 余分なコストが必要になる.このような場合には, 情報を必要とするプログラム点について, そこに影響を及ぼす部分だけを解析する要求駆動型のデータフロー解析が有効である.しかしながら, 一般のデータフロー解析には, 1ワード分の情報を並列計算するビットベクタ法や, 解析に不要な部分を訪問せずに解析を行う疎な解析法が考案されているのに対して, 要求駆動型のデータフロー解析については, これまで高速化手法の提案が行われていない.本稿では, 解析に不要なプログラム点を訪問しない疎な要求駆動型のデータフロー解析を提案する.あるプログラム点での解析結果に基づいてプログラムを変形した後に, 他のプログラム点についての解析を行おうとすると, その変形にともなって, 解析が不要な部分も変わる可能性がある.本手法では, プログラムの深さに相当するランク情報を用いて不要なプログラム点を動的に計算するので, プログラム変形が行われた場合でも, 変形後のプログラムを反映した疎な解析が実現できる.
2005-08-15

疎な要求駆動型データフロー解析

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