アダプティブな実行時コード最適化

概要

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実行時コード生成の技法を使うことによって,実行時にしか得られない情報を利用した,実行効率の高いコードを生成することができる.しかし,実行時にコードを生成するコストは大きいので.生成したコードが繰り返し実行されないと,性能低下を引き起こす場合がある.従来では,実行時コード生成を適用するプログラム中の部分を決定するためには,プログラマがプログラムの性質ばかりでなく,実行されるときの状況も考慮しなくてはならない.本研究では,手続き型言語に対するインクリメンタルな実行時コード生成の方法を提案する.この方法では,多く実行される部分ほど実行時コード生成が進むので,無駄な実行時コード生成を自動的に避けることができる.本研究の方法を使うことによって,実行時コード生成を適用する部分の決定が比較的容易になり,より積極的に実行時コード生成を適用することが可能となる.プロトタイプシステムを用いた測定では,一度しか実行されない部分に実行時コード生成を適用した場合のオーバヘッドが,従来の30%に減少した.
一般社団法人情報処理学会の論文
1997-05-21