モバイルエージエントのためのデータフロー解析とその応用

概要

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ネットワーク上を移動しなから作業を行うモバイルエージェントの実行効率を向上させる鍵の1つに,直列化するデータを最小限に絞る.使わないデータを持ち歩かないといったことがあげられる.そのためには,データの依存関係を調べ,それと,ネットワーク固有の帯域等の情報を加味して,ネットワーク上での行動計画を決めることか必要となる.そこでは,モバイルエージェントのネットワークにまたがって展開された制御フローグラフ上で,コンパイラの最適化フェーズで使われるデータフロー解析を行い、データの生存性,定義使用連鎖,などを調べスライスを求めるとともに,ネットワークのプロファイル情報を参照して行動計画を決める.その結果,直列化するデータを取捨選択して軽量化したり,途中経路で使わないデータを途中経路を飛ばして先行したりして送り込む.依存関係のない計算を並行したサブエージェントに行わせる,モバイルエージェントとステーショナリエージェントの連携における最適配置を求めるといった,効率向上のためのパターンの自動適用を図ることを試みる.本発表は,その基礎となる技術を提示するものであるが,応用面としては,効率の向上だけでなく,情報の意図しない漏洩を避けるためのデータの暗号化/復号のタイミングを決めるといった,セキュリティ向上応用もあり,その基礎に関しても言及する.さらに,モバイルエージェントの振舞いには,定型的な振舞い(実行前/コンパイル時に分かるもの)だけでなく,移動先の状況に応じて作業を選択するような不定形な振舞いもある.本発表では,そうした今後の研究にむけて,コストを考慮した動的な行動計画のための基礎的な考察を与える.
一般社団法人情報処理学会の論文
2003-03-15

モバイルエージエントのためのデータフロー解析とその応用

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