双方向CTLによるJava最適化器の生成

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近年,時相論理によるコンパイラ最適化器生成の研究が行われている.しかし,実際のプログラムを対象として最適化時間や目的コードの実行時間を提示した研究はない.本研究は従来研究の弱点を克服し,時期論理による記述からJava言語の効率良い最適化器を生成するシステムを作成した.論理としては,分岐時相論理の1つで過去時制と未来時制をともに扱える双方向CTLであるCTL-FVを用いた.最適化変換を記す仕様記述も,従来法と異なり,条件式を満たす特定の番号の個々の命令文ではなく,命令文の集合を計算するようにしたので,複雑な最適化が容易に記述できるようになった.さらに,本研究は一時変数を記述できるようにするなど種々の実用化の工夫を行い,Java言語に対する典型的なコンパイラ最適化器を実現した.本研究が実装したモデル検査器は何の変換も行わずに,過去時制と未来時制を直接扱えるため,十分な効率で動作する.従来,モデル検査器を用いた最適化器は実用的な時間では動作しないといわれていたが,実験により,本研究ではSPECjvm98の7つについて,4秒〜4分で最適化が行えることを確認できた.また,通常の最適化器に近づいた性能を持った,CTLによる最適化器の実装は本研究が初めてであるため,その可能性と問題点を明らかにした.生成される最適化器の処理時間を短くするための工夫や,記述のノウハウなど,本手法の改善に向けた種々の考察を加えた.
2007-06-15

双方向CTLによるJava最適化器の生成

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