仮想空間を使った多地点遠隔会議システム : e-MulCS(<特集>グループウェアとネットワークサービス)

概要

論文の詳細を見る
現在,対面環境での会議よりも,多地点遠隔会議が見劣りすることは否めない事実である.その要因の1つとして,「だれがだれを見ているか」認識できないことが考えられる.そこで我々は多地点遠隔会議システムに仮想空間を導入し,その空間中にユーザの分身であるアバタを置いた.また,会議を行ううえで入力カインタフエースを"操作"することは,会話の流れを止めかねない.そこで,我々はモーションプロセッサを利用した直感的な入力インタフエースを導入し,「だれがだれを見ているか」を自動的に認識できるような多地点遠隔会議システムを構築した.さらに,ユーザ自身が向いている方向のフィードバックを得るための画面表示の仕方も開発した.そして,これらを盛り込んだシステムとして,e-MulCSを実装した.評価を行った結果,従来の多地点遠隔会議システムに比べ,「だれがだれの方向を向いているか」がよく分かり,それにともない会話がよりスムーズに進んだことが分かった.また,我々の導入した入力インタフエースと表示法が適切であったという結果を得ることができた.
2002-11-15