排卵障害婦人における血清中LH, FSH および progesterone の経日的変動
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概要
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間脳-下垂体-卵巣系の巧妙なメカニズムのもとに営まれている婦人のホルモン分泌動態は常に変化をしており, ただ一度の測定では不充分であり, 連日測定が望まれる. 著者らは, 先ず正常月経周期婦人11例において, LH, FSH, progesteroneの一周期にわたる連日測定を行い, その分泌動態のパターンを定めた. 次に, 黄体形成不全症4例, 無排卵周期症3例, 無月経症6例について同様に連日測定を行い, 正常周期と比較して以下の結論を得た. 1) 黄体形成不全症では, 卵胞期の LH/FSH 比が低値であり, 中間期のLHピークが正常周期よりも低いのが認められた. progesteroneは LHピークの後上昇するが, 正常周期の黄体期の値の半分に満たず, 持続期間も短かかった. 2) 無排卵周期症では卵胞期のLH/FSH比が, 黄体形成不全症より更に低く, 中間期のLHピークも更に低値を示した. しかし progesterone は低いLHピークの後, 軽度の上昇を示し, 3〜4日間持続した後その消退と共に月経の発来を見た. 3) 排卵には排卵期のLH放出が必要なことは勿論であるが, さらに卵胞期のLHの増量が排卵および黄体化に密接に関係していることが推察された. 4) 無月経症例のうち, 第1度無月経ではFSHは持続的に低値あるいは正常の下界を示したが, LHは正常値または高値を持続した. 何れの症例もprogesterone の上昇は認められなかった. 第2度無月経ではhypergonadotropic hypogonadism, hypogonadotropic hypogonadism, normogonadotropic hypogonadism, と3型のパターンが認められた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1974-03-01
著者
-
谷沢 修
大阪大学医学部
-
倉智 敬一
大阪大学医学部産科婦人科学教室
-
倉智 敬一
大阪大学医学部産婦人科学教室
-
松本 圭史
大阪大学医学部,病理学第2教室
-
河村 憲一
大阪大学医学部産科婦人科学教室
-
青野 敏博
大阪大学医学部産科婦人科学教室
-
南川 淳之祐
大阪大学医学部産科婦人科学教室
-
南川 淳之祐
箕面市立病院
-
南川 淳之佑
大阪大
-
南川 淳之祐
大阪大学医学部産婦人科
-
青野 敏博
大阪大学医学部産婦人科
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