卵巣および子宮摘除術前後の婦人血清中LH. FSH値のRadioimmunoassayによる検討
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概要
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卵巣摘除後のLH, FSHの分泌動態特に一側卵巣摘除後の変化を知るために, 子宮筋腫と診断され, 単純子宮全摘除術をうけた5例, 子宮摘除に加えて一側卵巣を摘除した8例, 子宮摘除に加えて両側卵巣摘除をうけた5例の性成熟期および更年期婦人について, 術前から術後にかけてそれぞれの血清中LH, FSHの変動をradioimmunoassayで経日的に測定し, それぞれの群を比較検討した. 単純子宮全摘除のみでは, 術後のLH, FSH値は共に術前の値と有意差を示さず, 性成熟期婦人では術後45日目頃から正常排卵に戻る傾向にあつた. また一側の卵巣を摘除した群でも術後多少の血中LH, FSHレベルの動揺が認められたが, 術前との有意差はなかつた. 従つて一側でも充分に下垂体へのnegative feedback作用を果し得ることが推定された. またこの群でも45日目頃から排卵機能が回復する例が多かつた. 両側卵巣を摘除した群では, 性成熟期婦人の場合gonadotropinが術後日数が経つにつれて有意に増加するのが認められ, 術後30日目には術前レベルに比し, LHで約5倍, FSHで約9.5倍に増加した. 更年期婦人の場合は, 子宮のみ摘除群および一側卵巣摘除群は性成熟期婦人と同様LH, FSHの著明な変化を示さなかつたが, 両側卵巣摘除した例では術前より高いレベルを維持していた. 以上の結果から従来経験的に行なわれてきた子宮摘除手術時における一側卵巣の残置が, 内分泌学的にも必要にして且つ充分であることをLH, FSH分泌動態より実証することができた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1972-11-01
著者
-
谷沢 修
大阪大学医学部
-
倉智 敬一
大阪大学医学部産科婦人科学教室
-
倉智 敬一
大阪大学医学部産婦人科学教室
-
河村 憲一
大阪大学医学部産科婦人科学教室
-
青野 敏博
大阪大学医学部産科婦人科学教室
-
南川 淳之祐
大阪大学医学部産科婦人科学教室
-
深田 信之
大阪大学医学部産科婦人科学教室
-
南川 淳之祐
箕面市立病院
-
南川 淳之佑
大阪大
-
南川 淳之祐
大阪大学医学部産婦人科
-
青野 敏博
大阪大学医学部産婦人科
-
深田 信之
大阪大学医学部産婦人科
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