妊婦血中および尿中β_2-microglobulinの測定とその意義に関する研究
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概要
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妊娠時におけるβ_2-microglobulin(以下β_2-MGと略す)の動態を正常妊娠130例,純粋型妊娠中毒症(以下PTと略す)22例,慢性糸球体腎炎合併妊娠(以下CGNと略す)12例について検討した. 1) β_2-MGの測定に1抗体法Radioimmunoassay(以下RIAと略す)Kitを使用したが,本法は測定感度・精度・測定手技の簡易な点などで臨床応用に際し優れた測定法であると考える. 2) 正常妊娠においてはβ_2-MGの尿中ヘの排泄は正常非妊時に比較して妊娠中期以降漸増し,末期には2倍以上の増加を示した. 3) 正常妊娠時の血中β_2-MGレベルは正常非妊時に比較して妊娠初期・中期には低下傾向を示すが末期に向つて漸増し,予定日周辺では非妊時のレベルより増加する傾向を示した. 4) PTでは22例中12例に,CGNでは12例中6例にβ_2-MG尿中排泄の明らかな増加が認められた. 5) PT,CGNの両者ともβ_2-MGの血中レベルは大部分が正常範囲内にあつた. 6) 妊娠時における血清β_2-MGレベルと腎機能検査との関係については,PSP 15分値とは相関が認められず,血清タレアチニン値とは弱い正の相関(γ=0.40)を,クレアチニンクリアランス(以下Ccrと略す)とは弱い逆相関(γ=-0.42)を示した. 7) 24時間尿中のβ_2-MGとアルブミンの総排泄量の比をとるとCGNでは全例アルブミン優位のパターンを示しPTではこれに一致するグループとβ_2-MG優位のパターンを示すグループの2型に分類されることが判明した.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1977-08-01
著者
-
谷沢 修
大阪大学医学部
-
山地 建二
大阪大学医学部保健学科
-
堤 博久
大手前病院
-
堤 博久
大阪大学 産婦人科
-
山地 建二
大阪大保健学科
-
久 靖男
大阪大学医学部産科婦人科学教室
-
堤 博久
大阪大学医学部産科婦人科学教室
-
山田 隆子
大阪大学医学部産科婦人科学教室
-
佐々木 隆
大阪大学医学部産科婦人科学教室
-
久 靖男
大阪府衛生部
-
山田 隆子
箕面市立病院
-
山田 隆子
大阪大学 産婦人科
-
山地 建二
大阪大学医学部, 産科婦人科学教室
-
久 靖男
大阪大
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