筑後重粘土水田における小麦不耕起播栽培法 : 第4報作柄安定化のための施肥法

概要

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1984年から1985年までの2カ年間,三潴郡の筑後重粘土水田において,小麦の不耕起播栽培の作柄安定化を図るための最適施肥法について検討し,次の点を明らかにした。1.基肥を省略して基肥相当量と第1回追肥量とを合わせて12月中〜下旬に施用する窒素施肥法は,11月第4半旬以降に播種する稲わら全量還元の不耕起播栽培の場合には初期生育が劣るために適しない。2.稲わらを10a当たり900？程度還元した不耕起播栽培の窒素施肥法は,標準(窒素成分kg/10a,5〜4〜3)に比べて基肥を3.6kg程度増量するか,又は第1回追肥を2？程度増量する必要がある。実際には,不耕起播栽培では全耕播と同一施肥法の場合には穂満期までの生育量が少ないことと,稲わら還元量とを考慮して,基肥を3.6？程度増量して初期生育を確保し,麦の生育状況と気象経過に応じて第1回追肥量を追加する施肥法が適当であると推察された。また,浅耕播栽培においても,基肥増量又は第1回追肥増量による増収効果が認められた。
日本作物学会の論文
1989-12-25