良食味中生水稲品種「南海102号」の圃場条件別栽培特性と品質

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1988年に,筑紫野市と三潴郡の福岡県農業総合試験場の小麦作あと水田において,良食味中生品種「南海102号」の,圃場条件と施肥法,栽植密度を異にした場合における栽培特性や品質・食味並びに生育診断基準について検討した。1.南海102号は,中生種の碧風に比べて頴化数を確保し易いが,m^2当たり頴化数が,33,000程度以上の場合には倒伏が問題となる。また,碧風の玄米収量がa当たり62kg以上になる多窒素条件下では,倒伏のために碧風より収量がかなり劣る。2.10a当たり基肥窒素施用量は,一般の水田では6kgが基準になると推察される。しかし,肥よく度の高い水田や堆厩肥施用田では4.5？以下の少肥とし,更に,栽植密度はm^2当たりユ6〜17株の疎植にすることによって作柄が安定化する。3.砂壌土水田の比較的地力の高い水田においては,側条施肥栽培は標準施肥栽培に比べて倒伏が軽減し,収量・品質(粒厚)がともに向上した。4.圃場と基肥窒素量のちがいによって頴化数レベルと倒伏程度がかなり異なった本実験の範囲では,食味に有意な差はなかった。しかし,多窒素条件ほどわずかながらマイナスの傾向が認められた。5.生育診断基準として収量目標を10a当たり玄米600？におき,品質を保持し,安定した作柄を得るための収量関連形質の目標値を設定した(第7表)。
日本作物学会の論文
1989-12-25

良食味中生水稲品種「南海102号」の圃場条件別栽培特性と品質

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