水田裏作表圃雑草カズノコグサの発生の特徴と防除法

概要

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1985年から3カ年にわたり,近年水田裏作表圃で問題となっているカズノコグサの多発生圃場で発生の特徴を調査するとともに,生育期処理剤使用を中心とした効率的な防除法について検討し,次の点を明らかにした。1.カズノコグサの種子は,作土層にほぼ均一に分布するが,出芽深度は0〜2？で浅い。スズメノテッポウと同様麦作耕起前から発生し,発生のピークは12〜1月で,その後の発生本数もスズメノテッポウと差がみられない。2.幼植物はスズメノテッポウと判別し難く,2月頃までは生育量に差がみられない。しかし,3月〜4月頃の生育はスズメノテッポウより旺盛で,5月中旬〜成熟期の1株当り生育量はスズメノテッポウの約2倍である。3.土壌水分が高い圃場に発生が多く,前作との関係では水稲作後に比べて休閑後で少ない傾向にあり,大豆作付後ではほとんどみられない。4.除草剤による防除法としては,麦の生育期(カズノコグサ1.5L以内)にDBN水和剤20gとCAT水和剤5gを混合散布する方法が最も効果が高い。しかし,多発生圃場では生育期処理剤だけでは効果が不十分な場合が多いので,耕起前処理剤や播種直後処理剤との体系処理が必要である。5.現地の多発生地域でカズノコグサの防除に成功している圃場は土塊が細かくて,除草効果が比較的高い上に,3月上旬まで条間を中耕除草しており,圃場の排水対策に努め乾田化が図られている。
日本作物学会の論文
1989-12-25

水田裏作表圃雑草カズノコグサの発生の特徴と防除法

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