筑後重粘土水田における小麦不耕起播栽培法 : 第3報 作柄安定化のための播種量
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
小麦不耕起播栽培の作柄安定化を図るため,最適播種期である11月中旬播における苗立数の多少と生育・収量との関係を1983年から1985年の3年間筑後分場内水田で検討し,次の点を明らかにした。1.不耕起播畦立栽培では全耕畦立栽培に比べて一般に出芽率が低く,倒伏の問題は少ないが,m^2当たり130本以上の出芽苗立数では,踏圧を5回程度行った場合でも倒伏程度が問題になる。2.不耕条播で安定収量を得るための目標苗立数は,チクシコムギ並の耐倒伏性をもつ品種ではm^2当たり100本程度,またニシカゼコムギは,チクシコムギより耐倒体性が強いのでm^2当たり100〜150本が適当である。10a当たり播種量は,目標苗立教が100本の場合には出芽率を50%とすると7kgが目安となるが,品種や播種時期の早晩,圃場条件に応じて加減する必要がある。3.不耕散播では不耕条播に比べて同程度の苗立数の場合に茎数・穂数を確保しやすいため,最適苗立数は条播の8割と推察される。
- 日本作物学会の論文
- 1989-12-25
著者
-
土居 健一
福岡県農総試筑後分場
-
真鍋 尚義
福岡県農総試 園芸研
-
土居 健一
福岡農総試筑後分場
-
松永 靖雄
福岡県農業総合試験場
-
佐藤 寿子
福岡農総試筑後分場
-
真鍋 尚義
同農産研究所
-
松永 靖雄
福岡農総試筑後分場
関連論文
- 西南暖地における水稲の出穂期の予測 : パラメトリック法の適用例
- 筑後重粘土水田における小麦不耕起播栽培法 : 第4報 作柄安定化のための施肥法
- 筑後重粘土水田における小麦不耕起播栽培法 : 第2報作柄安定化のための播種法と湿害対策
- 筑後重粘土水田における小麦不耕起播栽培法 : 第1報不耕起播栽培小麦の生育特性
- 田植機利用によるイグサ跡水稲晩期栽培の品種について
- 水田裏作表圃雑草カズノコグサの発生の特徴と防除法
- 筑後重粘土水田における小麦不耕起播栽培法 : 第3報 作柄安定化のための播種量
- ヒヨクモチの褐変籾の発生とその採種上の問題
- 3 麦後移植水稲の疎植・側条施肥栽培における植付精度が異なる場合の株別発育追跡
- 1985年の台風13号による水稲の潮風害 : その実態と対策
- 良食味中生水稲品種「南海102号」の圃場条件別栽培特性と品質
- 福岡県における小麦の品質向上のための技術対策
- 西南暖地における水稲の出穂期の予測 : ノンパラメトリック法の適用例
- 作物の新しい発育ステ-ジ予測法-2-2次元ノンパラメトリック法の紹介
- 早期コシヒカリの穂ばらみ期における冠水被害
- 麦圃でのCATの使用が次作水稲に及ぼす影響について
- 筑後クリーク地帯における水稲の生育経過に関する研究(予報)
- クリークに関する2,3の調査ならびにクリークが稲麦におよぼす影響について(予報)
- 水稲穂ばらみ期の冠水害について
- 北部九州平坦肥よく地麦跡移植水稲の生産力向上に対する有機質資材と耕起深度改善の効果
- 水稲「ツクシホマレ」の栽培特性と栽培法
- 筑後平担地域における中苗による水稲晩期栽培について
- ミスト機による除草剤散布技術について : 第1報 麦圃における除草剤散布
- 重粘土水田における水稲湛水土壌中直播栽培技術-2-作柄安定化のための播種量・施肥法・水管理