ヒヨクモチの褐変籾の発生とその採種上の問題
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概要
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1987年に,三潴郡大木町の福岡県農総試筑後分場において,褐変籾が発生しやすいヒヨクモチ(原種)を供試し,褐変籾の発生と籾比重及び発芽率との関係を調査し,褐変籾混入種子の実用上の問題点と対策を検討した。1.褐変籾は,出穂後1か月頃までにかなりの発生がみられ,さらに,その後徐々に増加した。また,開花時期が遅くて籾水分が比較的高い弱勢頴花に褐変籾が多くみられた。2.褐変度の大きい籾は,比重の小さい籾に多くみられた。また,籾の発芽率は,比重が1.06以上であれば重度褐変籾でも発芽率の低下はみられなかった。3.褐変籾からは,Nigrospora sp.やその他雑菌が多く検出されたが,これらの菌類はすべて種子消毒で死滅する。4.したがって,褐変籾が混入している種子籾は,濡種の基準の1.08で比重選を行うことにより種子としての実用上の問題はなくなると考えられる。5.以上のことから,種子検査は,褐変籾の有無より籾の充実度を重視して行うことが採種事業の円滑な運営上必要である。
- 日本作物学会の論文
- 1988-12-15
著者
-
土居 健一
福岡県農総試筑後分場
-
真鍋 尚義
福岡県農業総合試験場
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真鍋 尚義
福岡県農総試 園芸研
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土居 健一
福岡県農業総合試験場筑後分場
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松永 靖雄
福岡県農業総合試験場筑後分場
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松永 靖雄
福岡県農業総合試験場
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佐藤 寿子
福岡農総試筑後分場
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佐藤 寿子
福岡県農業総合試験場筑後分場
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江崎 章治
福岡県農業総合試験場筑後分場
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