福岡県における昭和63年水稲の移植時期,気象要素と生育・収量・品質

概要

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筑紫野市の福岡県農総試内水田において,昭和63年産水稲の生育と収量・品質を,移植時期・品種の熟期別に気象要素を含めて解析し,次の点を明らかにした。1.頴化数生産期間の気象効果は,8月上旬および9月上旬出穂の場合には平年よりかなり低かった。これは,7月4〜6半旬の日照不足の影響によるものと解析できた。2.頴化数生産期間の気象効果をベースにして単位面積当たり頴化数を検討した結果,特に極早生種では気象効果のわりに実際の頴化数が少なく,中生種では相対的に頴化数を多く確保し易い傾向がみられた。また,極早生種では遅植に伴う頴化数の減少程度に品種間差が認められた。3.登熟期間の気象効果は,7月中旬〜8月上旬出穂の場合には平年よりかなり大きかった。これは,登熟期間の気温が高すぎず適温に近かったためと解析できた。4.登熟期問の気象効果と頴化数補正収量指数の問には高い相関がみられたが,移植期が遅くて生育量が不足している場合には頴化数補正収量指数が小さかった。この原因については更に検討する必要があるが,一茎当たりの生育の良否も影響を及ぼしているものと推察される。
日本作物学会の論文
1989-12-25