北部九州の水稲早期栽培における雑草の発生消長と除草剤の処理適期

概要

論文の詳細を見る
北部九州の水稲の早期栽培における効率的な雑草防除技術を確立するため, 1989〜1991年の3か年にわたり数種雑草の発生消長を調査し, 普通期栽培の場合と比較した。さらに, 早期栽培における数種除草剤の処理時期別の除草効果の特徴を明らかにした。1) 早期栽培における雑草の発生始期は, いずれの草種(コナギ, アゼナ, イヌホタルイおよびノビエ)も普通期栽培より遅かったが, その程度はコナギおよびアゼナで大きかった。またこれらの草種は, 発生始期の年次変動も大きかった。2) 早期栽培では, 発生盛期や終期は, いずれの草種も年次変動が普通期に比べて大きく, また中干し以降の発生もみられることから, 雑草防除を必要とする期間は, 早期では普通期よりもかなり長期に及ぶことが見出された。3) 早期栽培の場合, 砂壌土水田では各除草剤とも移植後12日処理に比べ, 移植後5日処理では除草効果が劣り, 遅い処理で除草効果が劣る普通期栽培の結果と異なった。しかし, 埴土では処理時期による除草効果の差は小さかった。4) 早期栽培において一発処理除草剤を使用する場合, 特に除草効果の持続期間が短い砂壌土水田で一年生雑草, イヌホタルイおよびウリカワを対象とする場合には, 処理時期を使用基準の範囲内で遅くする方がより効果的であると考えられる。
日本雑草学会の論文
1995-05-31

北部九州の水稲早期栽培における雑草の発生消長と除草剤の処理適期

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク