2004年台風第16号,第18号による福岡県筑後地域における水稲被害の実態と解析
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概要
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2004年は,水稲の出穂直前から登熟期間中にかけて,台風第16,18,21および23号の4個の台風が襲来した.そのうち,台風第16号,第18号について,台風前に防風枠を設置した回避区を設け,水稲の台風被害の実態とその要因を解析した.1.台風第16号,第18号が水稲の生育,収量および外観品質に及ぼした影響は,台風襲来時の生育ステージの違いによって大きく異なった.台風襲来時の生育ステージが出穂前3日,出穂後5日の「あきさやか」は影響が最も大きく,次いで出穂後5日,13日の「ヒノヒカリ」であり,出穂後18日,26日の「夢つくし」は小さかった.2.「ヒノヒカリ」および「あきさやか」は,台風襲来により玄米のタンパク質含有率の増加がみられ,その機構は品種における台風襲来時の生育ステージによって異なった.3.台風による減収および玄米のタンパク質含有率の増加には,葉身の裂傷,褐変籾および不稔が関与し,粒の充実が停止または強く阻害されたためと考えられた.4.台風による被害様相の中で,褐変籾の発生率は登熟歩合との間に有意な負の相関関係が認められ,台風による減収程度を推定する上での尺度となることが判明した.
- 日本作物学会の論文
- 2006-05-15
著者
-
福島 裕助
福岡県農業総合試験場筑後分場
-
佐藤 大和
福岡県農業総合試験場
-
石塚 明子
福岡県農業総合試験場筑後分場
-
福島 裕助
福岡県農業大学校
-
福島 裕助
福岡農総試
-
井上 拓治
福岡県農業総合試験場筑後分場
-
石塚 明子
南筑後普及指導セ
-
佐藤 大和
福岡県農業総合試
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