小麦品種「チクゴイズミ」の容積重およびタンパク質含有率の変動要因と向上対策

概要

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小麦の流通は民間主体に移行し, 実需者のニーズに応じた品質の高い小麦の生産が急務となっている. 小麦の容積重やタンパク質含有率は製粉性やめん品質に及ぼす影響が大きい(渡辺 1989, 松葉 1999)ことから, 民間流通における品質評価の重要項目となっている. 容積重は品質取引でのプレミアム対象の項目であり, その向上が求められている. しかし, 容積重の向上を目的とした試験事例は少なく, 播種期や播種量, 施肥法等の栽培法と容積重の関係は明らかではない. 一方, 九州産小麦のタンパク質含有率は値が低めであり, その向上と安定化が求められている(氏原 1990, 田谷 1999). タンパク質含有率は土壌や施肥からの窒素供給の影響が大きく, 穂ばらみ期から穂揃期頃の窒素追肥により増加する(高山ら 2000). しかし, タンパク質含有率と栽培法との関連は明確ではなく, 出穂期前後の窒素追肥は一般には実施されていない. そこで, 本研究では主力品種のチクゴイズミを用いて圃場条件や播種期, 播種量, 施肥量などを変えて容積重やタンパク質含有率の変動要因を検討し, 品質向上のための栽培法を明らかにした.
日本作物学会の論文
2001-05-15