(2)中学生の文字式に関する理解の様相

概要

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我々はこれまでに、教育現場での子どもの行動の現象面の観察をもとに、中学生の文字式についての理解に関する現状を明らかにし、その認知発達の段階やそれらの関連について検討し、また、発達を促進させるための指導内容や指導方法について、授業を通して実証的に検討してきた。ここでは、「文字や文字式について理解している」ことを、A.「文字式の基本的な内容についての理解」B.「文字式による論証についての理解」の両面から検討し、それぞれについて、発達段階を設定した。そして、それぞれについて、中1〜中3を対象に実態調査を行った結果、次のような実態を明らかにした。・文字式の基本的な内容について、「計算」「表現」「読式」についての能力はあるが、「変数」についての理解は不十分な生徒が少なくないこと。・文字式による論証について、「文字式による論証能力」はあるが、「文字式による論証についての一般性の理解」が不十分な生徒が多いこと。なお、本稿は、論究掲載予定の論文「中学生の文字式の理解の水準に関する研究」に基づいている。
東京理科大学の論文
1997-04-20