<原著>食餌, 身体組成と収縮期血圧

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農村, 山村および都市に居住する成人女子(20〜72才)252名を対象に, 収縮期血圧(SBP)と身体組成(%Fat), 食餌との関係について検討討を加えた。1. SBPと%Fatとの問には有意な相関々係は認められなかったが, SBPが140mmHg以上の人のうち%Fatが30%以上の人の出現率は, 都市では約59%, 山村では約17%であり, その出現率の差は統計的に有意であった。2. SBPと年令, エネルギー, 蛋白質, 動物性蛋白質, 脂質, 動物性脂質, 鉄, カルシウム, ナトリウム, ビタミンAおよびビタミンB1の摂取量との間にはそれぞれ有意な相関々係が認められた。しかレ, 年令の影響を除外した場合にSBPと有意な負の偏相関々係が認められたのは, エネルギー, 蛋白質, 動物性蛋白質, 脂質, 動物性脂質およびビタミンAだけであった。3. 摂取エネルギーの影響を除外した場合には, SBPと動物性蛋白質摂取量との聞にのみ有意な負の偏相関々係が認められ, 動物性蛋白質摂取量の影響を除外した場合には, SBPとエネルギーおよび蛋白質の摂取量との間にのみ有意な負の偏相関々係が囲められた。4. 摂取エネルギーと動物性蛋白質摂取量とその他のほとんどの栄養素の摂取量との間には, それぞれ有意な正の相関々係が認められた。5. 以上の結果から, 生活形態が異なれば, SBPに影響を及ぼす要因やその要因の持つ意味が異なるものと考えられた。そして, 太研究の被験者のような集団では, 肥満または運動不足, 動物性蛋白質摂取量の不足またはアンバランスな栄養素の摂取はSBPに悪影響を及ぼしていると考えられたが, 動物性脂質およびナトリウムの摂取量がSBPに影響を及ぼしているとは考えられなかった。
九州大学の論文
1983-03-30

<原著>食餌, 身体組成と収縮期血圧

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