塩茶を常飲するネパール山岳地住民(シェルパ族)を対象とした栄養疫学的研究

概要

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塩茶を常飲するネパール山岳住民の食物摂取状況と, 血清脂質との関連を検討した。1. 対象は20才から84才男性170名, 女性172名であった。2. 主食は米, ツアンバ, 小麦のロティで, 副食はジャガイモ, カブのタルカリであった。3. 塩茶の食塩濃度は0.4%, 脂肪は3%であった。1日平均摂取量は男性122ml, 女性1370mlで年齢による摂取量には, 差を認めなかった。アルコールの摂取量はエタノールにして12gてあった。4. 体重当たりのエネルギー摂取量は男性50.7kcal女性48.6kcalであった。エネルギー構成はたん白質9%, 脂質22%, 糖質69%であった。動物性たん白質比7%と低く, 動物性脂質比は63%であった。穀類エネルギー比は約65%であった。食塩摂取量は13.5gであった。5. 血清総コレステロールが異常高値を示す者は9%, 正常61%で, 低値を示す者は30%みられた。LDLコレステロールには, 年齢・肥満度・脂質摂取量が正の関連を, たん白質摂取量が負の関連を示した。HDLコレステロールには年齢・飽和脂肪酸・一価不飽和脂肪酸・アルコールが正に関連し, 塩茶のバターが良い栄養源であると考えられた。