<原著>ネパール王国丘陵農村ならびに都市近郊農村住民の血圧, 食塩摂取量および血液生化学検査の比較と季節差 : 二次健康科学調査

概要

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第二次ネパール健康科学調査として1990年冬期に, 第一次調査(1987年夏期)と同一地域の丘陵農村と都市近郊農村住民を対象に, 冬期における両地域の血圧, 食塩摂取量, 血液生化学検査成績を比較検討した。また夏期と冬期の季節差が身体状況に及ぼす影響を比較した。調査内容, 方法のいづれも第一次調査と同一とした。1) 医学調査に奉加した20才以上の対象者は丘陵農村男性160名, 女性150名, 都市近郊農村男性127名, 女性133名, 計570名であった。2) 丘陵農村, 都市近郊農村の男女いずれにおいても, 有意な体重増加とケトレ指数の増加が認められた。3) 収縮期・拡張期血圧はいずれも丘陵農村住民の方が都市近郊農村住民より男女とも有意に低かった。しかし, 両村の男女とも第一次調査より有意に高値を示した。丘陵農村男性では第一次調査と同様に加齢による血圧上昇が認められなかった。4) 高血圧者の頻度は境界域を含めて丘陵農村では男女それぞれ5.0%, 6.7%, 都市近郊農村ではそれぞれ28.3%ならびに15.0%であった。5) 食塩摂取量は丘陵農村住民で10〜12g/日, 都市近郊農村住民では13〜14g/日で, 後者が有意に多く, 第一次調査と比較しても後者が有意に多かった。6) 末梢血液像ではいずれの村でも男女ともに赤血球増多と好酸球の異常増多が認められた。7) 血清脂質は第二次調査で明らかな上昇を示し, とくに丘陵農村でより著しかった。以上の成績から, 丘陵農村, 都市近郊農村住民の身体状況の変化には季節の影響が示唆された。
九州大学の論文
1992-02-08

<原著>ネパール王国丘陵農村ならびに都市近郊農村住民の血圧, 食塩摂取量および血液生化学検査の比較と季節差 : 二次健康科学調査

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