さきがけによる惑星間空間磁場 (IMF) の観測的研究
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概要
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さきがけに磁力計を搭載して惑星間磁場 (IMF) を測定し, ハレー彗星および太陽圏を研究する計画は1977年から進められた。この計画でリングコア磁力計が初めて飛翔体用として開発され, 本邦初の人工惑星であるさきがけに搭載された。地上試験を次々にクリアーして1985年初頭に無事打ち上げられた。同年2月19日から観測が開始され, 今日まで極めて順調に良質の記録がとられ続けている。これは支援して頂いた宇宙研全体の総力の賜であり, IMF チームとしても, より多くの成果でこれに応えようと努力してきた。磁場観測に関連して打ち上げ以後今日までに出版された42篇の研究論文を, 本稿では総合報告の形で纏めた。第2章では先づリングコア磁力計の構成が述べられ, 第3章ではさきがけ磁場観測に関連してハレー彗星について得られた新しい知見が纒められている。第4章ではさきがけ磁場観測のもうひとつの重要研究課題である太陽圏と磁場不連続についての研究が述べられ, 以上の纒めと将来の研究への展望が共に第5章で述べられる。42篇の論文はそれぞれ主著者を異にするので, 主著者ごとに分割した論文形式もあり得た。しかし読者側の立場からは, 磁場観測全体としてどのような研究成果が得られたかを, 総合的に容易に把握しうる形式のほうが望ましいと判断した。そこで本稿のような形式をとり, 各節ごとに担当執筆者の名を付し, 共著者全員で見を通すこととした。それぞれの研究の詳細については原論文に譲らざるを得ないので, 巻末に成果論文をリストに纒めた。打ち上げ以前の磁力計開発・予備研究に関する46篇の研究成果については, その総合報告を1篇のみ巻末に掲げたので, 孫引きして頂きたい。本特集号の性格から, 御支援頂いた多数の専門外の方達にも研究成果を報告する義務がありと考え, 一般解説文も代表的な3篇を巻末に引用した。
- 宇宙航空研究開発機構の論文
著者
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中川 朋子
東北工業大学通信工学科
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斎藤 尚生
東北大学理学部
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湯元 清文
九州大学理学部
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平尾 邦雄
東海大学工学部
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湯元 清文
東北大学理学部
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斎藤 尚生
東北大 理
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中川 朋子
東北大学理学部
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斉藤 尚生
東北大学理学部付属女川地磁気観測所
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