乳用牛直腸便由来大腸菌の薬剤耐性(生物生産学科)

概要

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沖縄県内の3酪農家で搾乳中の健康な乳用牛(ホルスタイン種),合計78頭の直腸便から分離した大腸菌652株について,7薬剤に対する感受性試験を行い,また耐性菌については伝達性Rプラスミドの検索も試みた。供試した7薬剤のいずれか1薬剤に耐性の大腸菌は,全体では68株(10.4%)であった。酪農家別の耐性菌検出率では,C酪農家5.5%,A酪農家8.7%,B酪農家16.5%であった。薬剤別では,CTC耐性菌が9.5%で最も高く,他の薬剤に対する耐性菌は5%未満であったが,NA耐性菌は検出されなかった。3酪農家由来ともCTC耐性菌が最高であったが,B酪農家由来ではSMおよびSA耐性菌も若干高い値を示した。耐性型の種類は単剤型から6剤型まで10種類認められたが,4剤型は検出されなかった。また全体では,2剤以上の薬剤に耐性の多剤耐性型が過半数を占め,特にB酪農家由来では60%以上が多剤耐性型であり,6剤耐性型も本酪農家由来であった。一方,A及びC酪農家由来では60%以上が逆に単剤耐性型であった。耐性菌68株について,伝達性Rプラスミドの検索を行った結果,A酪農家由来の5株のみがRプラスミドを保有していた。この5株の伝達耐性型は,すべてCTC単剤型であった。
琉球大学の論文
1996-12-01