肥育豚ふん便における薬剤耐性大腸菌の経時的消長(生物生産学科)
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概要
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一養豚場において,肥育豚の導入時(I期)から出荷時(V期)までを5期に分け,約1ヵ月毎に直腸ふん便を採取した。これらふん便由来大腸菌,合計651株について,ABPC, CTC, SM, CP, KM, NA, SAの7薬剤に対する感受性試験を行った。供試大腸菌651株のうち,501株(77.0%)が使用した7薬剤のいずれか1薬剤に耐性であった。時期別にみた耐性菌の検出率は75.0∿78.6%の範囲にあり,ほぼ同じであった。薬剤別では,CTC耐性菌が71.1%で最高,以下SAが40.9%, SMが20.3%, KMが10.9%, ABPCとCPが各5.2%であり,NA耐性菌は検出されなかった。各時期ともCTC, SA, SM, KM耐性菌の検出順位は同じであった。耐性型は,全体では単剤耐性型から6剤耐性型まで29種類認められたが,I期とII期に比べてIII期以降では種類が減少した。また,2剤以上の薬剤に耐性の多剤耐性菌が60.7%を占めたが,III期以降では多剤耐性菌が減少し,単剤耐性菌が増加した。特に,IV期とV期においては,CTC単剤耐性菌が顕著に増加した。耐性菌451株について伝達性Rプラスミドの検索を行ったが,そのうち37株(8.2%)がRプラスミド保有菌であった。伝達耐性型は12種類あり,単剤伝達型が5種類(24株),2剤伝達型が3種類(9株),3剤及び4剤伝達型が各2種類(各2株)であった。
- 琉球大学の論文
- 1992-12-01
著者
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