豚枝肉由来大腸菌の薬剤耐性(生物生産学科)
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概要
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食肉における薬剤耐性大腸菌の汚染状況を知る目的で, 沖縄県内の某と畜場でと殺解体直後の豚枝肉について調査を行った。試料は, 解体直後の6と体の豚枝肉から, 処理工程別に背割後, 洗浄後, 格付け前, 冷蔵庫内の4ヵ所で拭き取り法によって採取した。また, 湯浸け水(脱毛のためにと体を浸漬する湯), 内臓液(内臓摘出時に出てくる液)についても調査した。これらの試料から合計301株の大腸菌を分離し, 7薬剤に対する感受性試験を行った。供試した大腸菌301株のうち195株(64.8%)が, いずれか1薬剤に耐性であった。枝肉処理の工程別にみた耐性菌の検出率は, 背割後74.1%, 洗浄後53.4%, 格付け前57.9%, 冷蔵庫内65.6%であった。内臓液由来では91.7%が耐性であったが, 湯浸け水からは大腸菌は分離されなかった。薬剤別には, CTC耐性が51.5%, SA耐性が35.5%, SM耐性が29.2%などの順に高く, これら3薬剤に対する耐性菌の検出順位は各試料とも同じであった。耐性型は, 単剤型から7剤型まで46種類認められ, その種類は処理工程が進むほど減少した。また全体では単剤型が29.7%, 3剤型が18.5%, 2剤型が17.4%, 4剤型が16.9%の順であったが, 2剤以上の薬剤に耐性の多剤耐性菌は, 背割後由来で検出率が最も高かった。耐性菌170株のうち9株(5.3%)がRプラスミド保有菌であり, 少なかった。
- 琉球大学の論文
- 1994-12-01
著者
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