子豚ふん便由来大腸菌の薬剤耐性と R プラスミド(畜産学科)
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概要
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沖縄県における家畜由来細菌の薬剤耐性の動向を知る目的で, 一養豚場の子豚(日齢によって4期に分け, 各40頭)及び子豚I期, II期の母豚10頭の直腸ふん便から大腸菌を分離した。これらについてAM, CTC, SM, CP, KM及びSAに対する薬剤感受性試験を行うとともに, Rプラスミドの検出を行った。子豚のI期(5∿6日齢)98株, II期(14∿15日齢)91株, III期(25∿29日齢)102株, IV期(51∿56日齢)102株, 母豚44株, 合計437株中406株(92.9%)がいずれか1剤に耐性であった。耐性菌の検出率は, 子豚ではI期が83.7%, II期以降が100%と高率であったが, 母豚では65.9%であった。薬剤別の耐性菌の検出率は, SAが86.7%で最高, 次いでCTC83.1%, SM49.4%の順であった。SA耐性菌は, 子豚では日齢が進むほど高く, CTC耐性菌はII期以降急に高くなり, またSM耐性菌はI期で高く, II期以降やや低くなった。母豚では, SM耐性菌が子豚II期以降とほぼ同じであったが, 他はいずれも低率であった。耐性型は, 25種類認められたが, 2剤耐性が33.5%で最高, 以下4剤耐性, 3剤耐性の順であった。耐性型別ではCTC-SA, CTC-SM-SA, AM-CTC-SM-SA耐性型が多かった。耐性菌のうちR^+菌は17.7%であった。このR^+菌の検出率は, 子豚I期が31.7%で最も高く, 日齢が進むほど低くなり, また母豚では6.9%であった。R^+菌の伝達耐性型は, AM及びSAの1剤が多かったが, これらの薬剤を含む4剤型, 5剤型もみられた。なお, 子豚由来大腸菌の薬剤耐性型と母豚由来大腸菌のそれとは関連ずけられなかった。
- 琉球大学の論文
- 1985-12-02
著者
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