食鳥ふん便由来大腸菌の薬剤耐性と R プラスミド(生物生産学科)
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概要
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沖縄県における家畜ふん便由来大腸菌の薬剤耐性状況を知る一環として,今回は,食鳥ふん便由来大腸菌について調査した。試料は,1990年8月,本県の一食鳥処理場へ搬入された食鳥を対象に,3農場の合計96羽から採取した直腸ふん便である。これらのふん便試料から各農場100株ずつの大腸菌を分離し,ABPC,CTC,SM,CP,KM,NA,SAの7薬剤に対する感受性試験を行い,耐性菌についてはRプラスミドの検索を行った。供試した大腸菌300株のうち242株(80.7%)が,いずれか1薬剤に耐性であった。薬剤別では,SA耐性菌が67.3%で最高,次いでCTC耐性菌59.3%,SM耐性菌51.3%などが高く,CP耐性菌は0.3%,NA耐性菌は検出されなかった。耐性菌における耐性型は21種類に分かれ,3剤耐性型が32.2%で最も高く,以下4剤耐性型26.9%,単剤耐性型20.3%,2剤耐性型13.6%,5剤耐性型7.0%の順であり,6剤及び7剤耐性型は検出されなかった。各薬剤に対する耐性菌の検出率及び耐性型の種類には,農場によって若干の違いがみられた。耐性菌242株のうちRプラスミド保有菌は9株(3.7%)であり,意外に少なかった。Rプラスミド保有菌の伝達耐性型は,ABPC(3株),KM(2株),SA(4株)の3種類の単剤型であった。
- 琉球大学の論文
- 1991-12-04
著者
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