乳牛の分房乳から分離された大腸菌の薬剤耐性と R プラスミド(畜産学科)
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概要
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沖縄本島南部地区(201頭, 780試料)および北部地区(148頭, 575試料)における乳牛の分房乳から分離した大腸菌, 南部地区31株, 北部地区61株, 合計92株を対象にAM, CP, CTC, KM, SMおよびSAの6薬剤を用いて薬剤感受性試験を行うとともに, 耐性菌についてはRプラスミドの検索を行った。分房乳における大腸菌の検出率は, 南部地区2.1%(16試料), 北部地区3.8%(22試料)であり, 意外に低率であった。各薬剤に対する耐性限界値をSAでは200μg/ml, 他の5薬剤では25μg/mlとすると, 全供試菌株がいずれか1剤に耐性であった。薬剤別には両地区ともSA耐性が多かったが, 次いでは南部地区がAM, SM耐性であり, 北部地区がSM, CTC耐性であった。耐性型は, 北部地区ではSA単剤耐性が86.9%を占め, 多剤耐性菌が少なかった。南部地区における耐性型は, SA単剤耐性が38.7%で最も多く, 次いでは5剤耐性の32.3%, 4剤耐性の16.1%であり, 北部地区に比較して多剤耐性菌の出現率が高かった。耐性菌におけるRプラスミドの保有率は, 南部地区41.9%, 北部地区14.8%であり, 前者地区で高率であった。Rプラスミドの伝達耐性型は, 両地区ともSA単剤伝達耐性型が多かったが, 2剤および3剤伝達耐性型も検出された。また, 2剤および3剤伝達耐性型のRプラスミドは, SAをその伝達耐性型の1部にしていた。
- 琉球大学の論文
- 1984-11-19
著者
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